便秘がつらい、1週間も出ていない、下剤を飲んでもまた便秘になる。そんな便秘にお悩みの方に効くツボをご紹介したいと思います。
便秘にはツボが効くと言われていますが、ただツボを押せば効くわけではありません。東洋医学では便秘には5種類あると考えられており、それぞれの便秘に合ったツボを押さないと意味がありません。
今回は5種類の便秘に対してどこのツボを使えばいいのかをご紹介します。
便秘には5種類ある?!
みなさんもご存じのようにツボは中国から伝わってきた東洋医学で用いられる治療法。東洋医学は西洋医学とは考えが異なり、東洋医学に基づいて考えないとツボの効果も半減してしまいます。
東洋医学では便秘を5つの症状に分類しています。
1、熱秘(実熱の便秘)
熱秘とは、熱が胃や大腸に入ってしまうと水分を減らしてしまい、結果的に胃や腸が乾燥してしまい便秘になるという考え方です。
便はウサギの糞のようにコロコロした便の形になります。
体の症状:顔が赤い、口が乾く、おしっこの量は少なく色が濃い。
熱秘の場合、水分が不足しているので、まず水を多めに取りましょう。
熱秘密に効くツボ・・・
こちらの3つのツボは胃に貯まった熱を取る作用があります。
・曲池
肘を曲げた時に出来る横じわの先端
・合谷
手を開いた状態で人差し指と親指の間。
・内庭
足の人差し指と中指の間の根元の箇所。
こちらの3つのツボは排便の働きを良くします。
・天枢
おへそがあるところの真横に指3本分の所。
・上巨虚
膝の骨から指4本分(3寸)が足三里。足三里からさらに指4本分下。スネの骨の外側。
・大腸兪
お尻の骨のてっぺんに位置する高さ。真ん中の背骨から外に指2本分。
2、冷秘(陽虚の便秘)
内臓には陽の気(プラスの気)と陰の気(マイナスの気)という二つの気でバランスを取っているという風に東洋医学では考えられています。陽の気(プラスの気)が弱くなってしまうと陰の気が強くなってしまい、結果的に腎臓が悪くなってしまいます。老人や若い女性に多い。
体の症状:便が出にくい、足が冷える、おしっこは色が白くて、回数が多い。
冷秘を改善させるには陽気(プラスの気)を補わないといけません。
冷秘に効くツボ・・・
こちらの4つのツボは腎臓と脾臓の陽の気(プラスの気)を補い、冷えを改善させます。
・関元
おへそから指4本分下。
・足三里
膝の骨から下に指4本分(3寸)。スネの骨の外側。
・太渓
足の内くるぶしの内側。
・腎兪
ウェストの一番細いラインで、背骨から外に指2本分
・命門
おへその真後ろ。くびれの高さに位置しています。
こちらの3つのツボは排便の働きを良くします。
・天枢
おへそがあるところの真横に指3本分の所。
・上巨虚
膝の骨から指4本分下(3寸)が足三里。足三里からさらに指4本分下が上巨虚。スネの骨の外側に位置します。
・大腸兪
お尻の骨のてっぺんに位置する高さ。真ん中の背骨から外に指2本分。
3.気秘(気滞の便秘)
気秘とは東洋医学で考えられている気の流れが悪く、気が上に行ってしまう現象で起こる便秘です。
体の症状:吐き気や胸のつっかえを感じる。全体的に逆流してしまい、下から便が出にくいです。
貯まっている気の流れを良くすると改善されます。
気秘に使用するツボ・・・
こちらの4つのツボは気の流れを良くします。
・合谷
手を開いた状態で人差し指と親指の間。
・太衝
足の親指と人差し指の間を足の指から体に向かってなぞって、骨を触れる位置。
・行間
足の親指と人差し指の間。
・肝兪
左右の肩甲骨の下を線で結び、真ん中に触れる背骨が第7胸椎。肝兪は2個下の胸椎の第9胸椎の下。外指2本分の位置が肝兪。
こちら2つのツボは脾臓の働きを良くします。
・気海
おへその下、指2本分。
・三陰交
内くるぶしから上に指4本分。
最後の3つは排便の働きを良くします。
・天枢
おへそがあるところの真横に指3本分の所。
・上巨虚
足三里から下に指4本分下(3寸)。
・大腸兪
お尻の骨のてっぺんに位置する高さ。真ん中の背骨から外に指2本分。
4.虚秘(気虚の便秘)
虚秘は大腸の働き弱くなると引き起こる便秘です。加齢によって起こる便秘が多い。
体の症状:何もしてなくても汗をかく、息が切れる、体に疲れがある。
虚秘は基本的に気がなくなっている状態ですので、気を補わないといけません。
気を補うのと大腸に関連する脾臓と肺臓の機能を高めるツボです。
虚秘に使用するツボ・・・
下5つのツボは足りなくなった気を補うのと共に、脾臓と肺臓の働きを良くします。
・足三里
膝の骨から下に指4本分(3寸)。スネの骨の外側。
・公孫
足の内側に触れることが出来る骨の溝。
・気海
おへそから下に指2本分(1.5寸)
・肺兪
首の背骨で一番出ている骨が第7頸椎。そこから3個下の骨の第3胸椎の下の外側指2本分(1.5寸)
・脾兪
第11胸椎棘突起下の外側に指2本分(1.5寸)。
下3つのツボは便秘の働きを良くします。
・天枢
おへそがあるところの真横に指3本分(2寸)の所。
・上巨虚
膝の骨から指4本分(3寸)が足三里。足三里からさらに指4本分下。スネの骨の外側。
・大腸兪
お尻の骨のてっぺんに位置する高さ。真ん中の背骨から外に指2本分。
5.血虚(陰虚の便秘)
血虚は産後や出血性疾患の後に血液が不足し、結果的に腸内水分不足によって起こる便秘。
体に起こる症状:口が乾く、めまい、動悸、不眠などの症状。
血液が不足しているので、補わないといけません。
血虚に効くツボ・・・
下5つのツボは不足している血を補う作用があります。
・足三里
膝の骨から下に指4本分(3寸)。スネの骨の外側。
・関元
おへそから指4本分下。
・血海
膝の骨から上に指3本分(2寸)の内側。
・三陰交
内くるぶしから上に指4本分(3寸)。
・膈兪
左右の肩甲骨の下を結んだ線が第7胸椎。膈兪第7胸椎の下の外側に指2本分(1.5寸)
下3つのツボは排便の働きを良くします。
・天枢
おへそがあるところの真横に指3本分の所。
・上巨虚
足三里から下に指4本分下(3寸)。
・大腸兪
お尻の骨のてっぺんに位置する高さ。真ん中の背骨から外に指2本分。
排便の働きを良くします。
このように便秘といっても人によって起こる便秘の原因が異なるので、やみくもに便秘に効くツボを押しても効果はありません。きちんと自分の症状に合った便秘を見つけ、効くツボを押しましょう。
ツボの見つけ方
ツボの位置を調べても実際に合っているかどうか不安になりますよね!
ツボがある箇所は基本的に触った感じで周りと比べると少し凹んでる箇所や押すと他の箇所と比べて少し痛みがある箇所が正しいツボの位置です。
ツボの位置は人によっても異なるので、自分で触りながら探してみましょう。
ツボの押し方
ツボは基本的に親指で手足や背中にあるツボを少し強めで、痛気持ちいい程度に押しましょう。お腹のようなデリケートな場所は中指や人差し指で押してください。強く押しすぎてしまうとかえって気分が悪くなってしまうので、気を付けてください。息をゆっくり吐きながら、ツボを押してゆき、痛くならない程度に5秒ほど押します。これを5セットずつ繰り返しましょう。
5種類の便秘に効く即効性のあるツボのまとめ
便秘で悩んでいる人はぜひ一度自分に合ったツボを押してみてください。ただし、ひどい便秘にはツボが効かない場合があるので、その場合はぜひ治療院や病院にご相談してください。
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