睡眠中や運動中にふくらはぎがつってしまい、激しい痛みに襲われることがあります。これは「こむら返り」と呼ばれる症状で、特に夏場など、水分不足になりやすい時期には注意が必要です。今回は、こむら返りが起きる原因と、その予防法や対処法についてご紹介していきます。
主婦:トラ子
こむら返りの原因と治し方について解説していきます!
スーパー治療家:シロ
ふくらはぎがつる(こむら返り)とは
こむら返りが起きる仕組み
こむら返りは、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋)が過剰に収縮することによって起こります。画像で青くなっている箇所が腓腹筋です。通常、ふくらはぎの筋肉は収縮したり弛緩したりを繰り返します。伸びたり縮んだりする動きをします。
しかし、何かのキッカケで、ふくらはぎの筋肉が硬直すると、筋肉が収縮し続けてしまうことがあります。すると、筋肉がけいれんを起し、激しい痛みを生じるのがこむら返り。
こむら返りの症状
こむら返りの症状で代表的なのが、ふくらはぎに生じる激しい痛みです。痛みは数秒間で治まることもあれば、数分程度治らないこともあります。
また、ふくらはぎがボコっと膨らむ様子が見て分かることもあります。ふくらはぎの筋肉が中心部に向かって収縮することによって、筋肉の塊がコブとなって現れるのです。
こむら返りが起きる原因
こむら返りが起きる原因は、いくつか考えられます。ここでは、それらについてご紹介していきます。
主婦:トラ子
1、ミネラルバランスの乱れ
こむら返りが起きる原因は、体内のミネラルバランスの乱れに関係していると考えられています。
体内のミネラル成分とは、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの物質です。
これらは、「電解質」とも呼ばれる物質で、水に溶けると電気を通す性質を示します。体内のミネラル成分は、神経伝達や筋肉の収縮、弛緩運動に関与していると考えられています。
そのため、体内のミネラルバランスが崩れると、上記の働きがうまく行われなくなり、こむら返りを招いてしまうのです。
2、ミネラルバランスの乱れは夏場に起きる
上記で説明したミネラルバランスの乱れは、主に夏場に起こります。
夏の暑い日には、大量の汗をかきます。このとき、体内の水分に溶けたミネラルが、汗として体外に放出されるのです。そうすると、体内のミネラル成分が不足してしまい、こむら返りを招いてしまいます。
夏場に足をつりやすいのは、このことが原因でもあります。
運動中に足がつるのも同じ理由ですね。さらに妊娠中の方にも起こりやすいのは体のミネラルなどの栄養素が赤ちゃんのところにいくので、お母さんのミネラル不足に陥ってしまいます。
スーパー治療家:シロ
ふくらはぎの血流の悪化
特に、睡眠中に起こるこむら返りなどは、血流の悪化が原因である場合が多いです。体内の血流は、心臓から各臓器に送られてくる血液が、静脈を通って心臓に送り返されることによって循環されます。
しかし、睡眠時には体が横向きになっているため、心臓に送り返される血流は、重力に逆らうことになります。
そのため、うまく血流が循環されず、下半身の血流が滞ってしまうのです。
すると、下半身に老廃物や疲労物質が蓄積していきます。このことによって、ふくらはぎの収縮弛緩運動が低下すると、こむら返りを招いてしまうのです。
スーパー治療家:シロ
睡眠時にこむら返りが起きるもう1つの原因
血流の悪化に加え、睡眠時の足首の向きも、こむら返りが起きる原因に関与しています。通常、足首はふくらはぎに対して垂直方向に曲がっています。
しかし、睡眠時には下半身が地面に対して平行になるため、足首の向きも平行方向に伸びます。
すると、ふくらはぎの筋肉は中心方向に収縮されることが分かるかと思います。
この筋肉の動きが長時間続くと、ふくらはぎの筋肉が弛緩せず、こむら返りを招いてしまうのです。
こむら返りの予防法
主婦:トラ子
睡眠時や、夏場に起こりやすいこむら返り。
痛みがしばらく続くこともあり、出来ることなら避けたい症状ではありますよね。
ここでは、そんなこむら返りを未然に防ぐ予防法についてご紹介していきます。
予防法1:睡眠前にコップ1杯の水分補給
原因の項でも説明したように、こむら返りは体内のミネラルバランスが乱れることによって起こります。
体内のミネラル成分は、発汗によって失われる場合が多いです。
また、人間は睡眠時に500CCほどの水分を、発汗によって消費すると言われています。
そこで、特に睡眠中のこむら返りを防ぐためにも、眠る前にコップ1杯分の水分補給を心がけましょう。ただし、水道水はミネラルなどがまったく入っていないため、ミネラルが入ったお水を飲むようにしましょう。
また、梅干や牛乳などを日頃の食事に取り入れることで、普段から積極的にミネラル成分を摂取することも大切です。
予防法2:睡眠時にふくらはぎを冷やさない
こむら返りは、冬の就寝時や朝方にも起こりやすいと考えられています。
冬の寒い時期には、血管が収縮して血行不良になりやすいです。
そのため、特に下半身を冷やしたまま就寝してしまうと、こむら返りが起こりやすいのです。
これを防ぐためにも、特に冬場は意識的に、足を冷やさないように心がけましょう。
足を冷やさないための方法としては、たとえば長めの靴下やストッキングを履くことなどが効果的です。しっかりと布団で下半身全体を覆って眠ることも大切です。
どうしても暑い場合は、最低でもお腹は冷やさないようにしましょう。お腹には足へと流れる腹大動脈という太い動脈があるので、腹大動脈の循環が悪くなると足も冷えてしまいます。
予防法3:ふくらはぎのマッサージ
日頃からふくらはぎをよくマッサージしておくことも、こむら返りの予防につながります。
やり方は簡単で、脱力した状態のふくらはぎを伸ばしたり絞ったりして、ほぐしていきます。
これを日常的に取り入れることで、ふくらはぎの血行が良くなり、こむら返りを未然に防ぐことができるのです。
このマッサージを、お風呂に入った後に行うと、特に効果的です。
痛みが治らない場合の対処法
万が一こむら返りになってしまった場合はどうすれば良いのでしょうか。
通常、痛みは数秒から数分程度で治まるといわれています。
しかし、筋肉の収縮がひどかったりすると、痛みがなかなか治らないケースもあります。
ここでは、こむら返りの痛みが治らない時の対処法について、ご紹介していきます。
対処法1:ふくらはぎの筋肉を伸ばす
こむら返りは、ふくらはぎの筋肉が縮こまってしまうことによって起こります。
そのため、こむら返りになったときにすべき最初の対処法は、収縮したふくらはぎの筋肉を伸ばしてやることです。
方法は簡単で、まず足の先を両手で掴みます。
その後、足首を体の方にゆっくり近づけるようにします。すると、ふくらはぎの筋肉がグーっと伸びるのが分かるかと思います。
この動作を、痛みが引くまでゆっくりと続けましょう。
急激に伸ばすのではなく、あくまでゆっくりと行うことが大切です。
対処法2:ふくらはぎの筋肉を温める
対処法1でも痛みが治らない場合は、ふくらはぎの筋肉を温めてみましょう。こむら返りを治すためには、硬直した筋肉をほぐしてやる必要があります。
そのため、お湯や保温シートなどを使って、ふくらはぎの筋肉を温める対処法が効果的です。逆に、ふくらはぎの筋肉を冷やす対処法は、逆効果になる可能性もあるので注意が必要です。
痛みが生じた箇所を冷やす、という治療法は、一般的には正しいように思われます。
しかし、筋肉が原因となって起こるこむら返りの場合、冷やすと筋肉がより収縮してしまうので、改善の効果が期待できないのです。
こむら返りは「冷やす」のではなく「温めて」治すということを押さえておきましょう。
こむら返りに効くツボ
1、合陽
合陽は膝の裏の中央から下2寸のところにあるツボです。こむら返り(腓腹筋痙攣)以外にも不正性器出血、陰部痛、坐骨神経痛、足の痛みといった症状に効果があります。
ツボの押し方は、親指で少し強めに、痛気持ちいいと感じる程度にグルグルと押してください。1回10秒ほど押します。足の血液循環を高めるためにも1日何回でもいいので、空いた時間にに押してください。
2、承山
承山は腓腹筋とアキレス腱の間にあるツボです。承山の位置は少し探しにくいのですが、足をつま先立ちにして力を入れると腓腹筋が硬くなるので、硬くなった腓腹筋より下にある凹んだ部分が承山です。
承山は主に痔、便秘、てんかん、鼻血、腰背部痛、坐骨神経痛に効果があるとされています。
承山も合陽と同じように押してください。
主婦:トラ子
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ふくらはぎがつる(こむら返り)原因と治し方のまとめ
こむら返りが起きる原因と、その予防法や対処法についてご紹介してきました。
こむら返りは、他の損傷と異なり、普段の生活習慣や外部環境が引き金となって起こることもあります。
特に、「水分不足」と「ふくらはぎの冷え」は、こむら返りが起きる2大要因といえるので、注意が必要です。
こむら返りによる激しい痛みを未然に防ぐためにも、それが起こるメカニズムを理解し、普段の生活から予防に努めることが大切でしょう。
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