背中や肩甲骨周辺に痛みが生じることは日常的にあるかと思います。ただの肩コリかと思いきや、背中の左側に痛みがある場合は、深刻な病気が原因となっている可能性があり、注意が必要です。
今回は、背中の左側が痛い原因と考えられる病気についてご紹介していきます。
社長:ゴリ
スーパー治療家:シロ
病気が原因でない背中の痛み
背中の左側が痛む要因として、病気が原因で発症する場合とそうでない場合があります。
まずは、病気が原因でない場合について紹介していきます。
筋肉痛による痛み
筋肉痛が原因となって、背中の痛みを発症するケースがあります。
背中の筋肉は、上半身の様々な筋肉と連動して動くため、激しい運動などによって気づかぬうちに筋肉痛になってしまうのです。
背中の筋肉痛を引き起こす運動例としては、投球動作が挙げられます。
モノを投げる際、思い切って投げようとすると胸の張りが生じますが、その際に使われるのが背筋の筋肉です。
スーパー治療家:シロ
投球動作を繰り返すうちに、背筋に疲労が蓄積していき、筋肉痛になってしまうのです。
普段あまり運動していない場合に、起こりやすい痛みだといえるでしょう。
ギックリ背中による痛み
「ギックリ腰」のような急激な痛みが、背中にも生じることもあります。
これは、ギックリ背中と呼ばれます。
ギックリ背中は、背中の筋肉の筋繊維や筋肉を包む筋膜が微細断裂を起こすことが原因となって起こる症状です。
筋肉に過度な負荷や衝撃が加わることによって、発症すると考えられています。
症状としては、
- 背中の筋肉が攣ったような痛み
- 呼吸のたびに背中の筋肉が痛む
- 背中を動かすと痛みが生じる
などがあります。
スーパー治療家:シロ
筋肉が原因となって生じる痛みの対処法
急激な痛みの場合は冷やす
ギックリ背中によって、急激な痛みが生じている場合は、患部をまず冷やしましょう。
氷嚢や保冷剤を背中に当て、10分程度冷やすと効果的です。
急激な痛みがある場合は、患部に炎症が生じているので、動かしたりせず、しばらく安静にしましょう。
スーパー治療家:シロ
患部を温める対処法
痛みがある程度治まった場合や、ゆるやかな痛みが慢性的に続く場合は、お湯に浸かるなどして、背中を温めましょう。
この場合、背中の筋肉の硬直をほぐすことが、痛みの改善につながります。
また、日頃からストレッチを行うことも、痛みの改善に効果があるでしょう。
社長:ゴリ
スーパー治療家:シロ
病気が原因で起こる背中の痛み
次に、病気が原因となって、背中や肩甲骨の左側が痛むケースについて、ご紹介していきます。
重大な病気のサインである場合も多いので、注意が必要です。
スーパー治療家:シロ
どうして背中が痛むのか
病気によって、背中や肩甲骨が痛むのは、「関連痛」が原因であると考えられています。
関連痛とは?
関連痛とは、簡単に言うと「神経の勘違い」のことです。
たとえば、心臓や内蔵などで問題が生じたとします。
すると、その臓器は「痛み」という刺激を、感覚神経を通じて脊髄、脳へと伝えます。
この時、背中や肩甲骨とつながっている感覚神経にも、刺激が移ってしまうことがあります。
その結果、問題が起きた臓器とは関係のない、背中や肩甲骨といった部位にも痛みが生じるのです。
関連痛の見つけ方
関連痛は多くの場合、他の臓器の痛みと併発されます。
たとえば、心臓に問題がある場合は、胸の痛みとともに、背中の痛みが生じるのです。
このように、背中の痛みだけでなく、他の症状が見られる場合は、関連痛を疑いましょう。
痛みが関連痛によって生じている場合、症状を改善するには根本的な問題点を解決しなければなりません。
また、これらの多くの場合、命の危険を伴う病気である可能性が高いため、すみやかに医療機関を受診することが必要でしょう。
背中の痛みを引き起こす病気の種類
それでは、背中や肩甲骨の痛みを伴う病気は、どのようなものがあるのでしょうか?
ここでは特に、背中の左側の痛みを引き起こす病気について、その症状と共に紹介していきます。
狭心症・心筋梗塞
狭心症、心筋梗塞はともに、心臓に血液や酸素を送る役割を担う、冠動脈という血管に起こる病気です。
狭心症の場合は、この動脈の血管が狭まってしまうことで、心臓に血流が流れにくなってしまいます。
一方、心筋梗塞の場合は、冠動脈が完全に塞がってしまい、心臓に血流が流れなくなってしまった状態を指します。
症状
狭心症の場合は、急激な運動を行ったり、急に寒い場所に移動するなどした場合に、特に左胸に痛みが現れます。
その他、胃痛や吐き気、背中の左側の痛み等の症状が見られることもあります。
心臓に負担がかかった場合に、症状を発症することが特徴的です。
一方、突然左胸に鋭い痛みが走るのが、心筋梗塞で見られる症状です。
呼吸困難を併発することもあり、非常に危険な状態だといえるでしょう。
いずれの場合も、左胸の痛み、背中の左側の痛みがある場合は、狭心症や心筋梗塞を疑いましょう。
症状が見つかったら
いずれの場合も、すぐに医療機関を受診しましょう。
狭心症の場合、しばらく心臓を休めることで一時的に症状は和らぎます。
しかしながら、心筋梗塞を引き起こしてしまう可能性が高いため、該当する症状が見られる場合は受診が必要でしょう。
一方、心筋梗塞で見られる症状(左胸の激しい痛み、呼吸困難等)がある場合は、すみやかに救急車を呼びましょう。
心臓に血流が流れず、心肺停止に陥るなど、命の危険があるからです。
解離性大動脈瘤とは?
大動脈は、内膜、中膜、外膜の3層で構成されています。
このとき、何らかの原因で内膜に裂け目が生じ、中膜に血液が入り込んで大動脈が裂けることがあります。
これを、大動脈解離と呼びます。
中膜に流れ込んだ血液は、新しい血液の流れを作り、血管が膨らんだ状態を作り出してしまいます。
これが、解離性大動脈瘤です。
解離性大動脈瘤の症状
「杭が刺さったような」と表現されるほどの鋭い痛みが、左胸や背中の左側に現れます。
痛みの強度によっては、ショック状態に陥ることもあります。
症状が進むにつれて、痛みが胸から腹部、脚へと下向きに移動していくことが特徴です。
最終的には、血流障害によって臓器が壊死してしまうため、非常に危険な病気であるといえるでしょう。
解離性大動脈瘤の症状が見つかったら
基本的に、手術が必要な病気です。
また、症状を発症したら、痛みによって意識障害を併発する可能性もあります。
症状が疑われる場合、すみやかに医療機関を受診しましょう。
急性膵炎・慢性膵炎
いずれも、すい臓に問題が生じることによって起こる病気です。
急性膵炎は、アルコールが原因となって引き起こされます。
すい臓は、食物を消化するための酵素を分泌します。
ところが、アルコールの過剰摂取によって内圧が向上する、膵管の出口がむくんでしまう、といったことが起きると、分泌された酵素が行き場を失ってしまいます。
そして、酵素がすい臓自身を消化してしまうことで起きるのが、急性膵炎です。
一方、慢性膵炎の場合は、すい臓へのダメージが長期間生じている状態を指します。
こちらも、主にアルコールが原因となって引き起こされる病気です。
急性膵炎・慢性膵炎の症状
上腹部、左腹部、左側の背中などに痛みが生じます。
痛みとともに、吐き気や嘔吐、発熱といった症状を伴うこともあります。
症状が悪化すると、呼吸困難や意識障害を引き起こす危険性もあるため、注意が必要です。
症状が見つかったら
医療機関を受診しましょう。
症状が軽い場合は、絶食、絶飲によってすい臓の安静を図る治療法が取られますが、重症の場合は血液透析などの療法が必要になるケースもあります。
いずれも、アルコールの過剰摂取によって引き起こされる病気なので、日頃からアルコールとの付き合いはほどほどにする意識が大切でしょう。
まとめ
今回は、背中の左側の痛みを引き起こす原因について、ご紹介してきました。
特に、病気が引き金となって痛みが生じている場合は、重症化すると命の危険もあるため要注意です。
該当する症状や、心当たりのある場合は、すみやかに医療機関を受診しましょう。
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